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低身長症の診断

受診された場合次の手順で診断を進めていきます。

1:問診
生まれた時の状態・生まれてからの成長(成長曲線の作成)と発育歴・ご両親の身長・本人の病歴があるか・食事の傾向・就寝時間などの日常生活などについておたずねします。
成長曲線の作成のために母子手帳とその後の成長の記録を持ってきていただくと大変参考になります。
2:計測
身長・体重を測定し、栄養状態と-2標準偏差以下かどうかの身長評価を行います。
3:診察
一般的な小児科の診察にあわせて、体全体がバランスがとれているか・甲状腺が大きくないか・二次性徴の進み具合はどうか・外表奇形の有無などをチェックします。
4:一次(スクリーニング)検査
身長が-2標準偏差以下の低身長だからといって全員が成長ホルモン検査の対象になるわけではありません。
まず一次検査として
<血液検査>
  • 一般的な貧血の有無や生化学検査
  • 甲状腺機能検査
  • ソマトメジンC
※成長ホルモンの命令により作られる成長因子で、間接的に成長ホルモンの分泌の有無を推測できます

<レントゲン検査>
  • 骨年令の評価(手の骨の写真により評価します)
※成長ホルモンの分泌が悪い場合骨年令は暦年令に比べて80%(例:暦年令が10才なら骨年令は8才以下)以上遅れていることが多いのです。

<染色体検査>
女児の低身長の場合、ターナー症候群が疑われる場合は染色体検査が必要になることもあります。
5:二次検査(成長ホルモン分泌精査)
一般検査・甲状腺機能などに異常がなく、ソマトメジンCが低値で、骨年令が遅れている場合、成長ホルモンの分泌が悪いことが疑われます。
この場合、成長ホルモン分泌試験を行って診断を受ける必要があります。
成長ホルモンは時間毎に分泌の濃度が異なりますので、1回の採血では判定出来ません。
内服や注射よる薬剤を投与して、その最大反応値をみて分泌があるかの判定を行います。
これを負荷試験といいます。
負荷試験に対する反応は個人差があるため最低2種類以上の検査を行って判定します。
負荷試験は一部外来で実施できるものもありますが、原則としては入院で行います。
お家のご都合で実施方法をご相談下さい。
6:低身長の治療
成長ホルモンの分泌が悪いと判定されたら、成長ホルモンの補充療法を行うことで背を伸ばすことが可能です。寝る前に成長ホルモンの注射を行うのです。
親が注射をすると言うと、自分にも出来るのかとはじめは誰もが心配されるのですが大丈夫です。
糖尿病と同じように、自己注射をすることが法律で認められていますし、実際100%のかたが上手に実施されています。
開始に先立って充分な指導を行いますので、ご安心下さい。
副作用についても心配されることはほとんどありません。
これについても充分な説明を行い、納得していただいてから開始するのが原則です。
また成長ホルモンは大変高価な薬剤ですが、きっちりと負荷試験を行って、分泌が悪いと診断された方には公的な治療援助がなされています。
ただし、平成17年4月から一部負担金(最高月5750円)が必要になりました。

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城山台クリニック
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